芦別物語

1973社内時報02

■社内時報1973(S48)長谷川繁 by nisityu-tyutai?
クリスマス 世代の推移にともないクリスマスは年を追うごとに 盛んになった. 赤い服 白い綿ヒゲに変身した商店街のオジさん プレゼント配達に人気を菓めている。クリスマス用品 には縫いぐるみパンダちゃんがよく売れるとのことだ. 大正生れの拙宅でさえデコレーションケーキが食 卓を飾るこの頃である。

クリスマス大みそか
今日より正月休みに入る すす払いもすませ神棚 のお札も新しく取替えた。会社より配られた紙製の門松 を凍える掌に息をかけながら「しめなわ」と共に玄 関に飾る。妻もおせち料理作りで一生懸命だ. よいともなれば一風呂浴びて身を清め神仏にお 神酒をあげて本年の無事故を感謝する. 昔数え年で家族一斉に年をとった時代とはその気持 において趣きを異にするようだ。 NHK恒例の紅白歌合戦をゴンゴン燃ゆるストー ブの暖を背に受けてひいき歌手に声援をおくリ 年越しそぱを食べる。この、雰囲気で格別正月の訪れを感 ずる. 賊風防止で窓に脹ったビニールには雪の結晶模様 が美しく現れて外はシンシンと音のするごとく強く シバレている。

初もうで
防寒具に身を包みふけゆく夜道を除夜の鐘を聞き つつヤマの守護神大山神社へ初もうでに行く。 坂道の参道は例年参拝客であふれる2,000人は下 らないであろう. 警備や整理に当る方々も寒さで大変と思う。 凍る暁の境内に赤々と燃ゆる「かがり火」は寒さとは 対照的でとても印象深いものである. 足踏み連続の雪道を押され押されて小一時間、頬な ど露山する肌には遠慮なく冷気が寄せて来る。 神殿でのかしわ手に“今年こそいい年でありますよ うに……”と願いをこめる。 きっとみんなも希望成枕を祈頗してるのだろう面は 真剣だ。 テント脹りの社務所でのご神酒は素焼の杯も冷たく て唇にピタピタと吸いつく長寿ばしもありがたく 頂だいすると、身内に新しい血の湧くを覚えすがす がしく心身共にそう快になるものである。

雪化粧した大山神社
初日の出 参拝客も一段落したころ初日が向いの山より昇リ 始める。凍てついた大気の樹氷に反射してキラキラ と銀世界に輝く光景は実に美しくもまた荘厳である. 昨夜来寝ずに焚いたであろう炭住街の石炭の煙リ 漂よう中空に初日も溶けてヤマは静かにそして平和 に明ける。

初日の出(鈴木忠雄氏撮影)

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