芦別物語

影との旅

夢)影との旅

夜行列車に乗っている。今晩中に目的地にたどり着こうと無理して飛び乗った。
無理だと私が言うのに、もう一人の男は大丈夫と言ってきかない。
少し背が低くがっしりしている。私よりもはるかに楽天的だ。
行き当たりばったりで何でも決めてしまい、即座に行動を起こす。
全く対照的な二人だ。

汽車は月が照らす中を突っ走る。中国の古い都のような風景。
木はあまりなく、ごつごつした岩肌が古い建物と合っている。

どこへ向かうかも聞き忘れた。途中のこの辺りという駅で降りる。
もし深夜までに目的地にたどり着けないと、赤い顔の悪鬼がやってくる。

その時には避難所に逃げ込めばいい、と誰かが言う。
6角形の広い交番のような建物が避難所だ。誰でもはいれ、泊まる設備は無いけれど
簡単なブースがある。
内部の壁は赤と黄色で塗り分けられ、中央の天井は多角形で高く随分とカラフルだ。

そこも出て、ひたすら二人で目的を目指す。
でも何処にあるのかこれから捜すのだ。

小さな列車に再び乗って、古都の通りを走り出す。
懐かしい光景がひろがり、民家の軒先をかすめるように汽車は走り
ついには民家の土間の中にまで入り込んでいく。
洗濯物が顔をかすめる。

どこへ行こうというのか、二人は分かっていない。
少なくとも私には分からない。
過去の古い町を抜けて、未開の場所へと移って行く。
空は暗闇だ。
一体どこへ、どこへ・・・。


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現実)今はとに角突っ走っている。

こんなやり方があるのか?というような方向でやっている。
建築設計事務所はこうでなくてはならない、という頭で決めた事
全てをひっくり返した。
我々を必要とする人がいる。
そこへ辿り着こうとしている。

ものすごく忙しい。
今月、休みが無い、今度の日曜日にも予定が入ってしまった。
今年になってから息が抜けたのは僅かに数日だけ。

新しい試みはここに着て予想をはるかに越える繁忙ぶりだ。
昨年から流れ続けた血は、ようやく止まった。
まさかこのやり方で、止められるとは思わなかった。

まるで予想しない領域に入ってきた、誰も教えてくれなかった。
ただ風の吹く方向に向かって走り出しただけだ。
先入観をすて、格好よさも捨てた。
マネージメントのみに生きる事にした。
それでいて建築設計の分野であり、将来いつか行きたい場所だった。

誰も知らない、誰もやってない事、それをパイオニアのようにやっている。
自分がこんなにも強いとは思わなかった。
これほど行動力があるとも思っていなかった。

本来、内向的で一つ決めるのに多大な時間とエネルギーを費やす性格。
決めた後でいつまでも心配し、後ろばかり振り返っていたのに。

全てはもう一人の自分との旅。
これからだ。次の駅へ。

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