芦別物語

夢・過去からの暗殺者

薄暗い地下道、駅の地下通路みたいだ。出口に向かっている。
すると反対側から大柄な男が現れた。トレンチコートに帽子を目深に
かぶっている。顔が見えない。

でもそいつが私を殺しに来た男だと分かった。
全身から殺気が立ち上っている。

男の武器は2つ。一つはすぐに撃てる小さな33口径。もう一つは
重くて致命的な武器、45口径の銃だ。

すれ違いざま、男の体に組み付き通路の湿った床に倒す。
懐に手を差し入れて、45口径の方の武器を奪う。
離れる。向かい合う。奪った重い銃を構える。
奴を撃つ。しかし撃鉄は重くさびた音しかしない。弾がでないのだ。

もたもたしている隙に男が小さなほうの銃で撃つと思ったが、
男は撃たない。
じっとこちらを見ているだけだ。

こいつを片付けねば、終わらせねば。
奴に再び飛びつき、重い体を
トレンチコートごと掴み、出口まで引っ張る。

そこには古びた錆に覆われた、3両の大昔の客車が雨ざらしに
なっていた。
その扉を開けて中に男を放り込む。
さびた重い扉を強引に閉じる。

やり方さえ知っていれば、扉は中からも開けられる。
でも男は知らないだろう。出てこないだろう、と何故か思った。

ぼろぼろの錆びた鉄の臭いが湿った空気中に充満してる。
通路を出口に向かう。
これで本当に終わりにはならないだろう、と思いながら・・。

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夢から覚めてからふと思った。
その錆びた鉄の塊は30年以上前に消えた、故郷の「三井芦別鉄道」の
客車に似ていたことを。

男は、そう過去からの暗殺者だった。
そして私は過去を閉じてしまおうとしていた事を。

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