芦別物語

夢の捨て場所

ヴェネツイア、ビエンナーレ、国際コンペ、
勝利の余韻の中、空港で迎える婚約者。

愚かな夢を見続けた。恥ずかしいほどの。

積み木で組み上げた大きな山を歳月と共に、言い訳と共に
一つずつ崩し続けた。

エンドマークが出た今、残骸の山は余りに大きく見える。
古びた手垢の付いた積み木。

この夢はどこに捨てれば良いのだろう。
今更替わりは見つからないし。

家族に迷惑を掛け続け、何度もやめようと思った。
でも帰る場所は何処にも無かった。

戻り道を断ち、後ろは絶壁と思い続け
前だけを見ながら崩れ続ける橋を走り続けた。

命賭けて辿り付いた先に思い描いた風景はなかった。

今、目の前の大きなエンドマーク。
人はそれを前にどこへ行けば良い。

この胸に大きく残った夢のかけらを抱いたまま。

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