芦別物語

多くのこと

とても多くのことをやっている。
これはもう大会社方式だ、と思う事もある。

ワンルームマンションからファミリータイプまで、分譲、賃貸、おまけに
建て替え相談ってのもある。
土地の所有形態も、等価交換から借地、所有、そして人の土地情報に企画をのせて多方面にアクセスする。

客も法人から個人まで。多岐多様。
そういえば外構デザインも受けていたっけ。
ボランティアで自分の住むマンションの大規模修繕のアドバイザーもやってる。
ほんとはこれが一番疲れる?

1週間がめまぐるしく過ぎていく。
でもいろいろなおいしい食事をした後のように満足感は高い。
いくつかは決まるだろう。決まってから実際に設計が始まり嵐に巻き込まれる。
それまでが、蜜の期間だ。

かつてはこれがたっぷりあった。
だから始まった時には頭の中でたっぷり熟成した思考とアイデアが
迸る。

この時間を貰えないと、青く未熟な硬い建築になる。
ひどい時は必要条件だけで何とか形だけつけて
デザインは後で考える事になる。
もうその時には枠組みは決ってるからそんなには変えられない。
これはつらい。やりたい事と、目の前に立ち塞がる自分の出来損ないと
対峙することになる。
今まではそのパターンだった

いやだな、そう思ったら、向こうから来なくなった。

代わりに私と波長の合う、柔らかく若い考えの人達とめぐり合い始めた。
風が吹いている。蜜をなめている。
こんな時はもう何年も経験していない。

波もなく静かだ。でもその下には巨大なエネルギーが満ち満ちている。
あ~、もう少し味わっていたい。
でも長すぎると不安に捕らわれる。

忘れていた事を少しずつ思い出していく。
知らないうちに溜まりにたまった、否定的で悲しい感情が一気に流れ出していく。
柔らかい鉛筆を少しかじる。木と炭の味だ。
腕を紙の上で流してみる。心も一緒に溶けていく。

濃い緑に包まれ始めた上野公園の空気に自分の思いを溶かしこんで見る。
この世界で生き抜くには心を張り続けなければならない。
でも、自分で走らなくても周囲が代わりに走ってくれる事もある。
そんな感じ。
神様はすぐには甘い果実はくれないだろう。
でももう少し、もう少し。大きく育っている。多様な果実達が。

自分がこんなに変化が好きな人間とは思わなかった。
人生も仕事も真に望む方向にしかいかない。
心の奥底、暗く深い海に潜むものに突き動かされていく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

画像添付