芦別物語

伴走者

その業界は近くにいた。いつもいつも近くにいた。
古くからの友人のように
走り始めた時から心配するように付き添っていた。
意識はしなかった。全然違う分野だから接点は弱い、と思っていた。
時々連絡を取り合い、時々アドバイスし、報酬も貰った。
微々たる物なので売り上げとしての認識も無かった。
むしろこちらがサービスしてあげている。彼らには出来ない事だから、と思っていた。

15年がそうして過ぎていた。
時は未曾有の経済不況、大恐慌の様相を呈しはじめた。
今年は一国の不動産不況、限定版バブル崩壊で終わると思っていたのに、
地球を取り巻く巨大な負の連鎖の一つに巻き込まれていった。

関連業界では死の連鎖が多発、死屍累々、というとんでもない状況になってきた。
実感していないのは、元々何もしていない人たち。
頭から建築と事業に突っ込んでいる人々にはその首が打ち落とされかねない状況。
年末には、という甘い予測は消し飛び、回復まで5年、という説が聞こえる。

この大嵐の中で、伴走者がいた事に今更ながら気付いた。
ふと見たら、彼らも困っていた。
互いの利益が一致した。
彼らとのやりとりは、売り上げ比率にして今まで数%に過ぎなかった
のに、最近では一気に10倍以上になりそう。
互いに言葉を交わし、歩く事にした。

むこうは小さな業界だ。全部当たってみようと、
いつものように全く新規に上位10社から当たり始める。
既知の不動産業界なら一部上場企業ばかりでほぼ全敗、
ベスト100でも数社が応じるだけなのに、
こちらはいきなり高い確率で反応があった。

「伴走者」はきっと神様が心配して15年前に予め用意してくれていたのだろう。

タイミング、これはいつでもキーワード。
何をするにも、最も大事な事の一つ。
さてはて、次は何処へ行こうか。
毎日考えて行動している。

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