芦別物語

ルーテル市川教会

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急に暇になった。で教会を見に行った。ちょうど50年前に建てられたらしい。
設計者はヴォーリズ。
今では「一粒社ヴォーリズ建築事務所」のほうが通りが良い?

最初にHPで写真を見た。その時は大したことは無い、と思っていた。
国府台の駅を下りて山と川を目指して歩く。この設定自体が、東京のすぐお隣であるはずの市川では??なのだ。
川沿いに行くとすぐに見つかる。信じられないくらい静かだ。
市川市に対して持っていたイメージと全然相反する。
それは建っていた。静かに。山と川をつなぐ視覚的中間点に。

近づくとさすがに年輪を感じさせる。
窓の意匠、主玄関の扉と周辺意匠、には少ない予算内での設計者の意気を感じる。

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親切な牧師様に案内されて中を見せていただく。
さほど広くは無い空間に入る。
しかしそこは驚きの空間だった。ちょうど人間の立った姿勢で、自分を中心にふわっと包み込まれるのだ。見事な空間のプロポーションだ。

地下からは固く古いムクの板を通じて地の気が立ち上り、
壁と天井からは柔らかい光とともにやさしく抱かれる。

奥行き感よりも、前後左右どちらからも空間感を強く感じる。
まるで自分の体が膨張し、大きな外郭が出来たような錯覚を覚える。
滅多に無い体験だ。

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2階からの画像と祭壇付近。

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椅子も机も当時のまま。50年間人々が祈りを捧げた場所の家具達。
木の床は、時折コンサートに使われる際には、床に置いた弦楽器と連動共鳴し
巨大な延長空間楽器となるそうな。もっともである。

50年前の設計図も見せていただく。ヴォーリズ事務所がこの小さな教会を丁寧に丁寧に設計した後がうかがわれる。とても当時の図面内容とは思えないくらいに精緻だった。

建築にはそこで生き、祈り生活した人々の想いと気が塗り込められている。
空間が満ちているのだ。
それは目には見えない。けれど確実に感じ、共感し、次に伝えていくべきものである。

簡単には作る事は出来ない。
なにせ50年間、そこは祈り続けられた場所だから。

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